オルソケラトロジーとは、就寝中に特殊な形状をした高酸素透過性のコンタクトレンズ(オルソレンズ)を装用し、角膜の形状を優しく、ゆっくりと変化させて近視・乱視を矯正する治療法です。 起床時にレンズを外した後も、一定時間角膜の形状が保持されるため、日中はメガネやコンタクトレンズを使用せず、裸眼で自由に生活を送ることができます。
日中を裸眼で過ごせる
朝レンズを外すと視力が回復しており、日中は裸眼で快適に過ごせます。特に、スポーツ(野球、サッカー、水泳、格闘技など)をされる方や、眼鏡の曇り、コンタクトの乾燥が気になる方に最適です。
手術不要で「可逆的」な治療
レーシックなどの外科的手術とは異なり、角膜を削ることはありません。装用を中止すれば、数日から1週間ほどで角膜は元の状態に戻るため、安全性が高く、他の矯正方法に切り替えることも容易です。
お子様の近視進行を強力に抑制
多くのアジアやアメリカの研究により、子供の近視進行を最大約50~70%抑制する効果が報告されています。特に8歳から11歳の学童期において、眼軸長(眼球の奥行き)の伸びを抑える効果が期待できます。
〈 なぜオルソケラトロジーは近視を止めることができるのでしょうか? 〉
通常の眼鏡やコンタクトレンズで矯正した場合、網膜の中心部にはピントが合いますが、周辺部では網膜の後方にピントがズレてしまう「遠視性デフォーカス」が生じ、これが眼軸を伸ばす刺激となります。 一方、オルソケラトロジーで矯正した角膜は、周辺部のピントのズレ(遠視のボケ像)を起こしにくく、眼軸を引き伸ばす刺激を抑えるため、近視の進行を抑制すると考えられています。さらに、当院では低濃度アトロピン(マイオピン)点眼治療との併用も可能です。併用することで、より高い近視抑制効果が期待できるという報告もあります。
軽度~中等度までの近視の方、レーシックなどの屈折矯正手術に抵抗のある方、日中の裸眼生活を希望される方 (特にスポーツが好きな方や、パソコン作業で眼の乾きが気になる方)。
ドライアイや軽いアレルギーの方、点眼治療を行っている方
強度な近視の方、重度なドライアイの方、睡眠時間の短い方、レーシックなどの屈折矯正手術を受けたことのある方、定期検査に通えない方、常に乾燥した環境にいる方
オルソケラトロジーは40年以上の歴史があり、米国FDAでも認可されている安全性に配慮された治療法です。合併症の頻度は通常のコンタクトレンズ装用と同等とされています。
眼内に挿入するレンズは生体適合性が非常に高く、半永久的に目の中で安定する素材で作られています。
角膜上皮障害・角膜炎
レンズの汚れや不適切なケアにより、角膜に傷がついたり感染症を起こしたりすることがあります。
ハロー・グレア現象
夜間に光が周りに広がって見えたり、眩しく感じたりすることがあります。
矯正効果の変動
治療初期は効果が不安定で、夕方になると視力が低下することがあります。
適応検査・カウンセリング
視力、屈折度、角膜形状、眼底検査などを行い、オルソケラトロジーが可能かを判断します。
トライアル(お試し)装用
院内でテストレンズを装用し、フィッティングを確認します。その後、1週間ほどご自宅で実際に装用していただきます。
治療開始(本装用)
トライアルの結果、十分な効果と安全性が確認できれば、患者様専用のレンズをオーダーし、本格的な治療を開始します。
定期検診
治療開始後の翌日、1週間後、1ヶ月後、その後は3ヶ月ごとに受診していただき、目の状態やレンズの汚れをチェックします。
よくある質問(Q&A)
Q1 レンズの装用時に痛みはありますか?
ハードコンタクトレンズと同じ素材のため、最初は多少の異物感がありますが、目を閉じると違和感は軽減されます。多くの方は数日で慣れて、問題なく眠れるようになります。
Q2 視力はすぐに回復しますか?
早ければ数日で効果が現れますが、視力が安定するまでには1週間から1ヶ月ほどかかる場合があります。
Q3 何歳から治療できますか?
以前は年齢制限がありましたが、現在は撤廃されています。当院ではレンズの着脱や管理が適切に行えることを条件に、6歳前後の小学校低学年から適応としています。
Q4 レンズの寿命はどのくらいですか?
一般的なハードコンタクトレンズと同様、2年前後が目安です。定期検診でレンズの状態を確認しながら、適切な時期に更新をご案内します。